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2015年7月10日

落雷対策を科学の目で見る(1)

落雷の季節がやってきました。
山を登る人にとって、夏場の落雷は要注意ですね。
管理人「どら」は好奇心旺盛で、いろいろな落雷対策を聴くにつけ、「なぜ?」って思うんですよネ^^
そこで、落雷を科学的に調べてみようと思いました。

調べて行くうちに、従来の落雷対策に「なるほど~」とか、「あれ?」とか・・・
いやぁ~、調べてみるものですね^^
知らないことが一杯ありました。
本質が理解できると、危険の範囲が明確になり、必要のないところでむやみに怖がったりする必要がなくなります。
雷を必要以上に怖がって、急ぐあまり転倒したり、滑落したりするのでは、
本末転倒ですものネ^^;

  雷はそもそも電気です  
標題にあるように、雷はそもそも電気なんですよネ。
ということは、電気の性質を理解することが、まずは第1歩^^b
さて、電気の性質を考えてみましょう。

性質1. 電気はプラスからマイナスに流れる(電子の流れは逆)
性質2. 電気は通りやすい道を選ぶ

この性質1.と性質2.を理解すれば、おのずと危険回避できますよね。
まずは性質1.の前に、雲の中で電気が生まれる仕組みは?
実は、明確な定説はないんですが、以下の仕組みと言われています。
なぜ下部がマイナスに帯電するかはわかっていないのですが・・・














さて、雲の下部にできたマイナスを帯びた水滴のマイナスイオンは、どこへ行くのでしょうか? ここで「性質1.プラスからマイナスへ流れる(電子の流れは逆)」を思い出してください。
そう、電子の相手先は、プラスの帯電先の雲の上部になりますね。
雲の中で光る稲光です。

そこで、図をもっと大きな視野で見てみましょう。
そのうえで、「性質2.電気は通りやすい道を選ぶ」を考えてみましょう。


マイナスイオンの行先が雲の上部だけでないことがよくわかります^^
電気は通りやすい道を選ぶのですから、近くにあるものへ落ちる確率が最も高くなります。下の地上方向へ、あるいは横の高い山へ、万が一、雲のマイナス部分が下にあるような高い山なら下からだってありえます。
横や上なのに、落雷という表現は、違和感がありますが^^;

  より安全な場所とは?  
それでは、「より安全な場所へ」を考えてみましょう。
まず、基本ですが、落雷で、絶対安全な場所はありません。ただ確率的にきわめて危険度の低い場所ならあります。交通事故に合う確率より低ければ、安全と言っても差支えないでしょう。

安全な順に並べてみましょうね^^b

①まずは、雷が発生しやすい場所に行かない
  当然ですが、天気が不安定な時は、山へ行かないのが一番です。
   ただ、管理人「どら」もあまり守れていません(反省^^;)
②雷雲(積乱雲)がモクモクと立ち始めたら、雷の発生が近い
  すぐにより安全な場所への移動を考えましょう。
  かすかでも「ゴロゴロ」と聞こえたら、いつ落ちても不思議ではありません。
  ましてや、激しい雨が降り始めたら、完全に逃げ遅れの状態です。
③大きな建物の中へ逃げる(ほぼ安全)
  避雷針のある山小屋や避難小屋の中は、比較的安全です。
  ただ、部屋の中のどこもが安全というわけではありません。
  壁面、電灯などから1m、テレビからは2m離れる必要があります。
  建物に雷が落ちた時の側撃雷を防ぐためです。
④建造物、樹木の保護範囲内へ逃げる(95%安全)
  といっても、そんなに都合よく、建物があることはまれですね。
  どらの場合、天候が怪しくなり始めたら、この保護範囲を意識して歩きます。
  この保護範囲というのは、比較的、落雷の直撃を受けない場所です。
  次の図を見てみましょう^^b

要は、高いもの(樹木など)のどの部分からも4m離れ、頂点からの角度が45度の内側の範囲が、安全だということです。
なお、高さが30m超えるような樹木や建造物の場合は、角度よりも底辺の距離で、4m~30mの範囲内が保護範囲となります。

さて、次回は導体・絶縁体の話から、逃げる時の姿勢、持ち物の話をしたいと思います。
あなたの常識が間違っているかもしれませんよ^^b

(おしまい)

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