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2016年7月6日

山の水を科学する

登山において貴重なもの、口に入れるものならやはり水ですね。
今回は、水に関する知識をまとめてみたいと思います。

みなさんは山登りの際、どれくらいの量を持っていきますか?
季節で異なると思いますが、何らかの経験則で、自分なりの量を
決めていることと思います。
どらの場合は、
春・秋は1500ml、冬は1000ml、夏は2000mlを目途にしています。

本当は、運動量(行程の長さ)を考慮して事前準備するべきではと
考えています。
5時間の山登りと8時間の山登りでは、違いますものね^^

◆水の消費量:
  運動部分の消費
      5(ml)×体重(kg)×運動時間(h)=消費量(ml)

式にすると実感が湧きませんが、具体的な数字を入れると
脱水量(主に汗となって排出)が明確になります。
どらの場合に当て嵌めると、
     運動部分の消費
  5ml×63kg×5時間=1575ml
なるほどの結果ですね。
ついでなので、体重と時間による消費量の一覧表を作ってみました。









◆山の水の味:
水の味を左右するポイントは、以下ですね。
① 喉の渇き具合
② 慣れ
③ 成分
④ 温度
⑤ 先入観

①は、当然ですよね。 喉が渇いていたらどんな水でも美味しいものです。
②は、どういうことかというと、日本人は軟水(カルシウムやマグネシウムが少ない水)に慣れているので、硬水(カルシウム・マグネシウムが多い水)は飲みにくいようです。
逆に、ヨーロッパは硬水が多く、特にフランス人は飲みなれていない軟水が物足りないようですね。
③は、含まれているミネラル分・二酸化炭素の配分の好みです。
④は、生ぬるい水より冷たい水の方が美味しいですよね。
⑤は、心理的要素です。美味しいと言われればそんな気がする・・・
というよくある話ですね。

どっしりとした山容で、火成岩(玄武岩、花崗岩など)主体の山は、
日本人好みの軟水が湧くとされています。
どっしりした山は、地下にしみ込んだ水がじっくり熟成されて徐々に成分が染みだすためのようです。
逆に切り立った山容で、石灰岩質の山は、地下にしみこむ前に
早い流れで成分を削り取ります。
その水が地下にしみ込んで、硬水となるわけです。
なるほど、石灰岩の主要成分はまさに炭酸カルシウムでした^^;

そういえば、奥武蔵の湧水の味、いまいちだったんですが、石灰岩の山が多かったみたいです。
思わず納得です^^;

◆山の水の安全性:
さて、登山者にとっては味もさることながら、その水が安全かどうかのほうが重要な問題です。
そこで、安全な水、危険な水についてお話ししましょう。

湧き水
地図に水マークのあるような湧水はほぼ安全でしょう。
それ以外の湧水の場合は、上方の環境に注意しましょう。
 ×山小屋:要煮沸 トイレから大腸菌が染みだしている可能性あり。
 ×鉱山:不可 重金属が流れている可能性あり。

沢の水
煮沸したほうがいいと思います。流れの早いところから汲むように。
ゴミが混じらないように流れの上から下に向かって汲みましょう。
 ×上流に獣の死体、糞尿:要煮沸 大腸菌が混じっている可能性あり。
 ×流れの止まっている場所:不可 微生物、寄生虫がいる可能性あり。
 ×上流に畑:不可 農薬が混じっている可能性あり。

雪・雪渓
新雪は比較的安全です。
残雪・雪渓の場合は注意が必要です。
 ×下の方の雪:不可 不純物が沈殿している可能性あり。

最近はたくさんの名水が、ペットボトルで販売されているようですね
そんな中でも、気になっている不思議な一品を紹介します。
それは・・・
黒部トンネル破砕帯から湧き出す水を使ったサイダー「ハサイダー」
ネーミングが親父ギャクです^^;
思わず、取り寄せたくなりました。

(おしまい)