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お知らせ

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2024/05/16 予定が入ったため鳥海山(7/26~7/29)は9月以降に延期します

2015年8月18日

落雷対策を科学の目で見る(2)

前回の記事では、保護範囲までの話をさせていただきました。
でも、そんな安全な場所がまわりになかったら・・・ ^^;
これは焦りますね~
どらの場合も、あわてて少しでも安全な場所を探します!

  少しでも安全な場所は?  

雷はとがったもの、出っ張ったものが大好きです。
尾根筋を歩く人間なんて、はっきり言って、歩く避雷針状態です。
まずは尾根筋にいたら、斜面や窪地へ逃げてください。
あと樹林帯で、できるだけ木がまばらなところ。
木から4m離れられない場合は、せめて2m離れてくださいね。
側雷撃は防げませんが、即死の可能性が低くなるそうです。

登山中に危険なものは、以下の3つですかね。
◆尾根筋や広い場所(自分が避雷針の状態)
◆樹木のそば(側撃雷の可能性が高い)
◆保護範囲外に設置されたテントの中(はっきり言って避雷針そのもの)
◆保護範囲外の小さな東屋の柱のそば(はっきり言って避雷針の横)
ということは、上の4つを避けることが、完璧ではないものの、安全対策ということになりますね。
なお、東屋の場合、柱や天井から4mは無理としても、2mの距離を置くなら、多少危険度は下がります。

   導体、絶縁体         
  
さて被害を最小限に抑えるには、また電気の性質に戻りましょう^^b
前回の記事、覚えていますか?
性質1. 電気はプラスからマイナスに流れる(電子の流れは逆)
性質2. 電気は通りやすい道を選ぶ

そこで何故、側撃雷なんて現象があるのでしょうか?
樹木に落ちた雷の近道はそのまま地面へ直行のはずなのに、
わざわざ側にいる人間を襲うなんて!
重要なのは、「性質2. 電気は通りやすい道を選ぶ」です。
実は人間は、木より電気を通しやすい物体なんですよ。
そもそも人間の体は、電気信号で筋肉を動かす仕組みになっています。
だから、通りやすい人間の体へ方向転換するんですね^^b

そこで、導体、絶縁体の話をしましょう。
導体とは、電気を通しやすいもの。
金属全般は導体ですが、特に銀・銅・金・アルミ(通し易い順)などは導電率の高い代表です。
銀はコストが高いので、街中の電線には銅が使われていますネ^^b

次に絶縁体とは、電気を通さないもの。
紙、ゴム、木(水分を含まない)、プラスチックが代表例です。
つまり、電気は木より人間の方が好きなんですね^^;
だから、側撃雷という現象が起きるんです。
ただ、木と人間の間には空気という壁があります。
空気は、本来は電気を通さないのですよ。万が一、電気を通したら、家の中はコンセントから電気が飛び交う空間になってしまいます。
住んでいる人は即感電します^^;
ただ、雷の電気エネルギーは非常に高いので、空間を飛び越えることができるんですよね。そこで4mという安全距離(飛び越えさせない)を置くことになります。

気づいた人はいますかぁ? そうすると鉄塔の側は安全なのではと?
そう、導電率は 鉄塔>人間 なので、実は安全なのです。
ただ、落雷のショックがあるので、2mぐらいは離れましょうね^^b
ちなみに、鉄塔>人間 を証明する身近な例があるんですよ。みなさんもよく目にしている光景です。電線の小鳥さんですね。
もっとも、服を着ている小鳥さんは見たことがないと思いますが^^;
に注目!







電気は通りやすい電線のほうへ流れ、小鳥さんの足には向かいませんネ^^ 誤解のないように追記しますが、小鳥さんの足にも少量の電気は流れています。感じないほどですが・・・それぞれに流れる電流の計算式は、マニアックなので省きますね^^
さて、同行者がいる場合は、それぞれの間隔をあけてくださいね。
密集していたら、一人に落雷した場合、連鎖的に側撃雷を受けます。
まあ、恋人同士なら一緒にシビレルのもありかもしれませんが・・・ ^^;
そして、少しでも安全な場所に移動したら、姿勢を低くしてください。
次は、被害を最小限に抑える姿勢の話に移ります。

   安全な姿勢とは         

「性質2. 電気は通りやすい道を選ぶ」
そして、致命傷になるのは内臓の損傷(やけど)。
この二つを理解していれば、必然的に安全な姿勢が決まりますよ^^b

つまり、できるだけ自分に電気を向かわせない。
そして運悪く感電した場合は、感電経路を短くする。
さらに、内臓ではなく体の表面に電気を流す。
そんなうまい方法があるのかって?

下の絵をごらんください。
ケメ子のウエブログより抜粋
①できるだけ低い姿勢をとる
②爪先立ちをする。その場合踵を合わせる。
③両耳をふさぐ

①は、雷は出っ張りが好きなので、姿勢を低くすることで、出っ張りを小さくするためです。ただし、寝そべってはいけません、実は近くに落雷したとき、水分を含んだ地面を電気が走ります。地面よりは人間の方が導電率が高いので、電気が寝そべった人間に向かいます。
②は、爪先立ちすることにより、地面との接触面積を小さくしています。やけどの範囲が小さくなります。また、踵を合わせることにより、最小限の電気の通り道(地面→爪先→踵→反対の踵→反対の爪先)を作っています。
ちなみに、踵をつけずに足を開いていると、股下を電気が通ることになります。
男性の場合は致命傷かも^^;(下ネタ、ゴメンナサイ)
③は落雷時の鼓膜の保護です。

さらに、金属を身に着けていた場合、捨てる必要はありません。
以前は、金属は危険と言われていたのですが、現在の科学解釈は、逆の判断をしています。 致命傷は内臓の損傷なので、持っている場所、身に着けている場所に寄りますが、その部分で電気を表面側に逃がす働きをします。

さて、最後にどら流のさらなる安全策を記載します。
たぶん、このような指導は誰もしないと思いますし、過去にもないでしょう。
科学の目で見ると、あり!と確信しています^^b

そもそもこの姿勢って、疲れると思いませんか?
どらは雷が過ぎるであろう数十分間、この姿勢を保ち続ける根性はありません(キッパリ)
そこで、いいアイテムがあることに気づきました。
それはストック(特にアルミ製)です。
アルミは、人間よりはるかに電気を通しやすい物質です。
しかも導電率がベスト4のすぐれものです。
そう、ストックを地面に置いて、その上に乗って、足を揃えてしゃがめばいいんだ!電線の小鳥さんの状態を作るわけです^^
これならベタ足でいいし、疲れない^^b
いかがでしょう?

(おしまい)

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2015年8月10日

熱中症?足が重い棒ノ嶺(8月7日奥武蔵)

山登りを始めて、初の登りでの失速でした^^;

さて、奥多摩側の上日向からアプローチ。
どらは、とんでもない失態を演じてしまいました^^;
同行者との話に夢中になり、またその話の内容が結構のめりこむ話題で、
棒ノ嶺への分岐を見事に見落としてしまいました。
話の内容は聞かないでください!秘密です。

なんとあろうことか、あの炎天下の中で、林道「大丹波線」を延々と・・・
歩き続ける・・・しゃべり続ける・・・そして、さらにしゃべり続けること
片道50分、往復100分、いやぁ~疲れましたねぇ・・・
考えたら、川苔山が近いような?気がします^^;
水分の持参量から水分不足に陥る計算になりますが、地元の人が水を汲んでいるのを見て、「飲めますかぁ?」と質問。「大丈夫ですよぉ」と神の声。
助かりました。
あらぁ~、水場の看板のキャラに「め-ちゃん」の名前が^^
めーちゃんキャラが・・・ ^^

貴重な水を提供してくれためーちゃんに感謝しつつ、先を急ぐどら達。

わさび田を過ぎたあたりから、急に足が重くなってしまいました。
これは? もしかして? まさか?
照り返しのきつい林道を歩いていたからなぁ・・・
昨日は睡眠とれたけど、一昨日は徹夜作業だったなぁ・・・と。
どうも軽い熱中症になっていたようです。
帰宅後、筋肉痛皆無にもかかわらず、食欲がわかない、体がだるい、お腹も壊してるし・・・などの症状が・・・2~3日続きました。

さて、出発も遅く、無駄な時間を費やしたので、山頂にはほとんど人がいない状態でした。
ピーク到着後は、ずっと下りなので、何とかなりましたが、
真夏の低山、気を付けなければと反省です。
第2ゴルジュを上から・・・

白谷沢を下りに使ってみましたが、メジャールートも逆回りだと、新鮮な感じがします。

最近、チョンボの多いどらでした。
(おしまい)

2015年7月21日

午後から高尾山 稲荷山東尾根は通行できるか?

7月20日(月)、三連休の最終日、どら得意の昼から登山。
前から気になっていた稲荷山東尾根へ調査に行ってきました。

ヤマレコの記事も2011年が最後、当時の下山口は圏央道の工事現場^^
工事の終わっている現在は?
結論を言うと、下界復帰はかなり大変でした。
はっきり言うと、どこへ降りていいかわからない状態ですね^^;

まずは稲荷山東尾根は、稲荷山東屋の南側から降りていきます。
以前は何もない斜面でしたが、今は階段になっています。
ただし、柵で遮断されています。
周りの皆さんの「どこへ行くんだ?」の目を気にしながらのバリルート突入。
この、人の目、好きなんですよねぇ~(もしかして目立ちたがり?)
すぐ下に稲荷山の巻道があり、もちろん東尾根方向への道標はありません。
歩き始めはやや荒れ気味も、しっかりした踏み跡があり、安心です。
圏央道が見えてきましたが・・・

圏央道が見え始めるころには事態が一変します^^;
踏み跡なし、濃い藪の連続!
そもそもどこへ降りていいか不明!
たしか、高速道路へ立ち入ると道路交通法違反だよなぁ~
さて、南へ行くか?東へ行くか?
うるさい藪や蜘蛛の巣と戦いながら東尾根をトラバース気味に南方向へ!
いざ、竹藪突入!
当初、気にしていた蜘蛛の巣が、後半は気にならなくなりました(慣れとは恐ろしい^^;)
誰も通らないだろう竹藪を抜け、沢を渉りようやく高速道路手前へ到着。
このあたり、探検気分です^^
ついに、3mの深さの高速道路の排水路に行く手を阻まれました(泣)
2011年当時は工事現場だから降りれたんだよね、きっと^^;
ピンクリボン発見しましたが・・・
仕方ないので、さらに道なき道を東方向へ。
ふと、前方を見ると、ピンクリボン発見!
「やったぁ~」
でも、近寄ったら金網で閉鎖されていました。
金網の先には、ピンクリボンが続いています。
さて、どうしたものか?
金網を乗り越えるようなことはせずに登りかえして、大回りで、向こう側へ行くと踏み跡発見^^b
ようやく記憶にある風景を発見。
こんなところに出るのかぁ^^;
ここで、またまた問題発生。
金網で完全に閉鎖されていて、出れない;;
ようやく出入り口を発見しましたが、南京錠がかかっていました・・・
ここに出ました^^
目の前には信号待ちの車が一杯。
運転手さんたちの目を意識しながら、
強引によじ登って、下界に復帰しました。
いやぁ~
恥ずかしかった^^;

(おしまい)

2015年7月14日

最後に失速、大菩薩嶺

「大菩薩嶺」から奥多摩「小菅村」。
7月11日(土)、梅雨合間(もしかしたら梅雨明け?)の中、山登りへ。
それにしても、大菩薩は人気ありますねぇ~
甲斐大和駅発のバス(8:10発)、臨時便含めて5台準備されていました。

◆コース:
 上日川峠~福ちゃん荘~雷岩~大菩薩嶺~雷岩~大菩薩峠~
 フルコンバ~大菩薩小菅林道~小菅村役場~小菅の湯

◆所要時間:7時間40分 20分ぐらい道迷いしました^^;

大菩薩小菅林道の一部以外は、道迷いの心配はないと思います。
雷岩の手前の登りで、一挙に景色が開けます。
大菩薩湖と富士山の景色がすばらしいですネ。
大菩薩峠までの尾根伝いは、開放的な景色が続きます。
大菩薩湖と富士山
霞んでいますが、晩秋だと見事だろうな^^
大菩薩嶺・大菩薩峠間の尾根
開放的な尾根で、気持ちがいい
 ピークの大菩薩嶺は、樹木が邪魔で景色は楽しめません。
お昼するなら、雷岩周辺がベストですね。
もちろん、「馬鹿と煙は高いところへ登る」を地で行く管理人どらは、
雷岩に登っての食事でした^^
どうせなら、富士山や南アルプスの山々を見ながらの食事のほうが
楽しいでしょ^^b

さて、大部分の人は大菩薩嶺中心の周回でしょうが、どら達は、
人気薄の大菩薩小菅林道方向へ。
予想通り、ほとんど人はいませんでした。
「へその曲がった」どら満足のコースです^^;

途中のこんな道標に、思わず「山道」方向へ行きたくなりました。
でも、道標に「山道」ってどうよ(偶然の親父ギャグ)、と思うのはどらだけ?

好奇心旺盛な方は、
山道って表示、意味ある?釣られるでしょうが!
釣られないようにご注意ください.。
どらも行きかけたし^^;

その後、事件発生。
大菩薩登山口手前の沢沿いで、分岐に気づかず、無名の滝のそばの木橋を渡り赤沢方面へ。
何か変?嗅覚に反応が・・・
西に向かうはずなのに、沢の先を見てもそのような道があるように見えない。

ということで引き返したところ、沢へ降りる手前で、西方向への分岐発見^^見落としていました(反省)

そして、最後の悲劇がやってきました。舗装路に入り、右ひざに異常発生;;
強い痛みが発生したのです(くせになったかも・・・)急速に失速。
それまで標準タイムより早いペースで歩いていたのですが、ペースダウン。
温泉に行きたいので、白糸の滝をパス。小菅の湯には16:50到着。
最終バスが17:45なので、急いでお風呂へ。
長風呂タイプのどらには厳しい残り時間です^^;
あわてて服を脱いで全裸になり、「あれ?タオルは?」
どうも、途中で落としてしまったようです^^;
あわてて服を着て、受付カウンターまで直行。
タオルを購入して、また服を脱いで・・・と・・・
時間がないのに・・・ネ
ということで、下山は散々のどらでした。 (おしまい)

2015年7月10日

落雷対策を科学の目で見る(1)

落雷の季節がやってきました。
山を登る人にとって、夏場の落雷は要注意ですね。
管理人「どら」は好奇心旺盛で、いろいろな落雷対策を聴くにつけ、「なぜ?」って思うんですよネ^^
そこで、落雷を科学的に調べてみようと思いました。

調べて行くうちに、従来の落雷対策に「なるほど~」とか、「あれ?」とか・・・
いやぁ~、調べてみるものですね^^
知らないことが一杯ありました。
本質が理解できると、危険の範囲が明確になり、必要のないところでむやみに怖がったりする必要がなくなります。
雷を必要以上に怖がって、急ぐあまり転倒したり、滑落したりするのでは、
本末転倒ですものネ^^;

  雷はそもそも電気です  
標題にあるように、雷はそもそも電気なんですよネ。
ということは、電気の性質を理解することが、まずは第1歩^^b
さて、電気の性質を考えてみましょう。

性質1. 電気はプラスからマイナスに流れる(電子の流れは逆)
性質2. 電気は通りやすい道を選ぶ

この性質1.と性質2.を理解すれば、おのずと危険回避できますよね。
まずは性質1.の前に、雲の中で電気が生まれる仕組みは?
実は、明確な定説はないんですが、以下の仕組みと言われています。
なぜ下部がマイナスに帯電するかはわかっていないのですが・・・














さて、雲の下部にできたマイナスを帯びた水滴のマイナスイオンは、どこへ行くのでしょうか? ここで「性質1.プラスからマイナスへ流れる(電子の流れは逆)」を思い出してください。
そう、電子の相手先は、プラスの帯電先の雲の上部になりますね。
雲の中で光る稲光です。

そこで、図をもっと大きな視野で見てみましょう。
そのうえで、「性質2.電気は通りやすい道を選ぶ」を考えてみましょう。


マイナスイオンの行先が雲の上部だけでないことがよくわかります^^
電気は通りやすい道を選ぶのですから、近くにあるものへ落ちる確率が最も高くなります。下の地上方向へ、あるいは横の高い山へ、万が一、雲のマイナス部分が下にあるような高い山なら下からだってありえます。
横や上なのに、落雷という表現は、違和感がありますが^^;

  より安全な場所とは?  
それでは、「より安全な場所へ」を考えてみましょう。
まず、基本ですが、落雷で、絶対安全な場所はありません。ただ確率的にきわめて危険度の低い場所ならあります。交通事故に合う確率より低ければ、安全と言っても差支えないでしょう。

安全な順に並べてみましょうね^^b

①まずは、雷が発生しやすい場所に行かない
  当然ですが、天気が不安定な時は、山へ行かないのが一番です。
   ただ、管理人「どら」もあまり守れていません(反省^^;)
②雷雲(積乱雲)がモクモクと立ち始めたら、雷の発生が近い
  すぐにより安全な場所への移動を考えましょう。
  かすかでも「ゴロゴロ」と聞こえたら、いつ落ちても不思議ではありません。
  ましてや、激しい雨が降り始めたら、完全に逃げ遅れの状態です。
③大きな建物の中へ逃げる(ほぼ安全)
  避雷針のある山小屋や避難小屋の中は、比較的安全です。
  ただ、部屋の中のどこもが安全というわけではありません。
  壁面、電灯などから1m、テレビからは2m離れる必要があります。
  建物に雷が落ちた時の側撃雷を防ぐためです。
④建造物、樹木の保護範囲内へ逃げる(95%安全)
  といっても、そんなに都合よく、建物があることはまれですね。
  どらの場合、天候が怪しくなり始めたら、この保護範囲を意識して歩きます。
  この保護範囲というのは、比較的、落雷の直撃を受けない場所です。
  次の図を見てみましょう^^b

要は、高いもの(樹木など)のどの部分からも4m離れ、頂点からの角度が45度の内側の範囲が、安全だということです。
なお、高さが30m超えるような樹木や建造物の場合は、角度よりも底辺の距離で、4m~30mの範囲内が保護範囲となります。

さて、次回は導体・絶縁体の話から、逃げる時の姿勢、持ち物の話をしたいと思います。
あなたの常識が間違っているかもしれませんよ^^b

(おしまい)

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