赤駒を 山野に放し 捕りかにて
多摩の横山 徒歩ゆか遣らむ
万葉集から 詠み人:宇遅部黒女
<現代語訳>
赤駒(飼っている馬)を山野に放しているので捕まえられない
多摩の山並みを歩かせて、
(九州の大宰府まで)行かせることになるのかなぁ
防人として、夫を送り出す妻の悲哀が感じられる素朴な歌ですね。
さてみなさんは、多摩丘陵の「よこやまの道」をご存知ですか?
ヤマレコなどで、時々、投稿されていますよね^^b
先般の南高尾の下山でご一緒した地元の方との歴史談議。
この防人の歌の話が出てきました。
小田急線「永山駅」~よこやまの道~京王線「南大沢駅」 |
侵略に備えて、九州の大宰府(今の北九州)に防備の任についた
兵士のことです。
主に、関東(昔は東国と言いました)から派遣されていました。
費用は自腹、任期は3年(延期も多かった)とのことで、そのまま
帰ることができなくなった兵士も多かったそうです(涙)
記録では、2000人以上が常時派遣されていたそうな・・・
よこやまの道は旧東海道に繋がっており、この道を通って行く
防人たちへ、たくさんの歌が詠まれました。
万葉集には防人の歌として、100首ほどが掲載されているそうです。
地元の山(丘陵かな?)ですが、まだ歩いていないので、一度、
暑くなる前に歩いてみたいと思います^^
万葉に想いを馳せながら・・・(なぁんて)
(おしまい)