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2022年7月4日

熱中症と山登り

6月27日の梅雨明け宣言! 早いですねぇ~
もしかして今年の夏は長いの?
となると、登山の熱中症対策が気になりますね。
今回の科学の目は、熱中症に焦点を当ててみました。
科学的に考えると、意外な事実が浮かび上がりますよ。
帰るまでが登山!
充分な対策をもとに、後悔のない登山をしましょう。

まずは熱中症対策を、予防・登山中・帰宅後の三つの段階で考えてみます。

予防の段階
健康状態維持
 当然ですが、体調が悪いと熱中症・脱水症にかかりやすくなります。
 普段の健康管理だけでなく、前日の深酒・睡眠不足に気をつけましょう。
 ※これは自分に言い聞かせています(苦笑) 

準備するもの
 十分な水分と電解質(ナトリウム/カリウム)を準備しましょう。
 基本となる必要水分量は、登山の時間と気温に影響を受けます。
 歩く時間と体重で必要水分量を計算してみましょう。
 計算式:5mℓ×体重×歩行時間=必要水分量
山の中で飲み水がない!どうする?の記事へ
 登山中の水分量の補給目途は、上記の7~8割と言われていますが、
 安全を期して表の記載量は準備したいものです。
 さらに計算式で注意したいのは、真夏の場合は、5mℓが6~7mℓになります。
 そのため必要水分量は、2割増しで考えたほうがいいでしょう。
 ちなみに飲料は、利尿作用のあるカフェイン入りは避けましょう。
 コーヒー・紅茶・緑茶などは避けた方がいいですよ(麦茶はOK!)
 もちろんアルコールもね(苦笑)
 ちなみにビールは、1ℓ飲むと1.1ℓの水分が排出されるとのこと!
 
 さらにナトリウム・カリウムが補給できる食品の準備もポイント!
 汗をかいて水分を失う時に、体内のナトリウム・カリウムも一緒に排出されます。
 これらの成分は、浸透圧調節や神経伝達、筋肉の収縮などの役割があり、
 足攣り対策に効果があるんですよ。
 ナッツ類、ドライフルーツ、梅干し、昆布などに多く含まれています。
 考えてみたら、日本古来からの携行食「おにぎり」は理にかなっている。
 考えてみたら、日本古来からの夏の飲料「麦茶」は理にかなっている。
 梅干しと昆布のおにぎりと、塩入の麦茶で、完璧ですね。
 今年の夏登山は、この組み合わせでいこうかな?

登山前に行うこと
 さて現地に到着しました。
 ここでも酷暑登山の熱中症対策がありますよ。
 実はスポーツ選手がよくやる対策があります。
 それは事前に血液を冷やしておくこと!
 血液は全身を回っており、冷やすことで、効率的に体温を下げることが可能です。
 では、どうやって冷やすことができるのか?
 両手で冷たいもの(冷たいペットボトルなど)を握ることです。
 人間の全身には、血液量が多いポイントがあります。
 それは動脈のあるところと、毛細血管が集まっているところ!
 上から、首・脇の下・手の平・股間(鼠蹊部)・足の裏ですね。
 簡単に対応できる手の平がお薦めですよ。
 股間は人目があるので、こっそりとね(笑)
 忘れてならないのは、登山前から十分な水分を取っておくこと。
 まあ、手で温めたペットボトルの中身をすぐに飲むのもありかな。

登山中
 水分補給
 こまめな水分補給が必要です。
 喉が渇いてから飲むのではなく、一定時間ごとに
 飲みましょうね。
 30分~1時間ごとに、200mℓ~250mℓが適切量と
 言われています。
   ただこれは、体重を無視しているアバウトな数字。
 必要水分量の表の1時間の数値の8割ぐらいが適切ではないでしょうか?
 
 不幸にも脱水症をおこしたら
 これは緊急事態なので、一刻も早い水分補給と体温を下げる処置が必要です。
 本人だけでは対応できないので、周りの人の行動がポイント!
 ①まずは楽な姿勢、楽な服装にして日陰に寝かせる
 ②水分を補給させる(即効吸収性の高い経口補水液がベスト)
   →この場合は、一気に必要量(飲めるだけ)を摂取させることが重要
 ③血液を冷やす
   →動脈がある首・脇の下(股間はちょっとね?)に冷たいものをあてる
   →凍らせた飲料を保冷バッグに準備しておくと便利ですよ
 
下山後
 まだ危険は去っていない
 熱中症は登山中だけでなく、帰宅後になって発症する
 こともあります。
 登山中に脱水や電解質不足(ナトリウム・カリウム)の
 状態になっていても、気づかず放置していると、
 熱中症が遅れて発生します。
 まずは、下山後には十分な水分補給と電解質補給に注意
 して下さい。

 下山後すぐのビールで一杯は危険ですよ!
 下山後すぐの温泉(特にサウナ)も危険ですよ!
 すぐにビールも、どらも同感ですが、その前に十分な水分補給を。
 すぐに温泉も、どらも同感ですが、その前に十分な水分補給を。
   お風呂の中で裸で救急搬送なんて、恥ずかしいですよ~
 
 夕飯はどうする?
 帰宅後の夕食も重要です。
 バランスを考えた食事にしましょう。
 えっ、そんなの作っている余裕も気力もないって(泣)
 中身さえ意識すれば、外食やお弁当という手抜きもありですよ~

 ・余分に使った筋肉の補強のためのタンパク質
 ・効率的に糖質を変換してくれるビタミンB1
 ・免疫力を高めてくれたり、ストレスへの抗体を作ってくれるビタミンC
 ・疲れの原因になる乳酸の発生を抑えてくれるクエン酸
 こんなところかな?

 <参考情報>
 ビタミンB1が多い食材
   豚肉・豆腐、味噌といった大豆製品、ごま・モロヘイヤ、玄米など
 ビタミンCが多い食材
   赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、菜の花など
 クエン酸が多い食材
   梅干し、酢、レモン、ライム、グレープフルーツ、いちごなど

 この記事を書いていて、すべての栄養素をカバーするメニューがありますね。
 それは酢豚!
 今日の夕食は、酢豚にしようかなぁ~と(笑)

(おしまい)