もしかして今年の夏は長いの?
となると、登山の熱中症対策が気になりますね。
今回の科学の目は、熱中症に焦点を当ててみました。
科学的に考えると、意外な事実が浮かび上がりますよ。
帰るまでが登山!
充分な対策をもとに、後悔のない登山をしましょう。
まずは熱中症対策を、予防・登山中・帰宅後の三つの段階で考えてみます。
予防の段階
健康状態維持
当然ですが、体調が悪いと熱中症・脱水症にかかりやすくなります。
普段の健康管理だけでなく、前日の深酒・睡眠不足に気をつけましょう。
※これは自分に言い聞かせています(苦笑)
準備するもの
十分な水分と電解質(ナトリウム/カリウム)を準備しましょう。
基本となる必要水分量は、登山の時間と気温に影響を受けます。
歩く時間と体重で必要水分量を計算してみましょう。
計算式:5mℓ×体重×歩行時間=必要水分量
山の中で飲み水がない!どうする?の記事へ |
安全を期して表の記載量は準備したいものです。
さらに計算式で注意したいのは、真夏の場合は、5mℓが6~7mℓになります。
そのため必要水分量は、2割増しで考えたほうがいいでしょう。
ちなみに飲料は、利尿作用のあるカフェイン入りは避けましょう。
コーヒー・紅茶・緑茶などは避けた方がいいですよ(麦茶はOK!)
もちろんアルコールもね(苦笑)
ちなみにビールは、1ℓ飲むと1.1ℓの水分が排出されるとのこと!
さらにナトリウム・カリウムが補給できる食品の準備もポイント!
汗をかいて水分を失う時に、体内のナトリウム・カリウムも一緒に排出されます。
これらの成分は、浸透圧調節や神経伝達、筋肉の収縮などの役割があり、
足攣り対策に効果があるんですよ。
ナッツ類、ドライフルーツ、梅干し、昆布などに多く含まれています。
考えてみたら、日本古来からの携行食「おにぎり」は理にかなっている。
考えてみたら、日本古来からの夏の飲料「麦茶」は理にかなっている。
梅干しと昆布のおにぎりと、塩入の麦茶で、完璧ですね。
今年の夏登山は、この組み合わせでいこうかな?
登山前に行うこと
さて現地に到着しました。
ここでも酷暑登山の熱中症対策がありますよ。
実はスポーツ選手がよくやる対策があります。
それは事前に血液を冷やしておくこと!
血液は全身を回っており、冷やすことで、効率的に体温を下げることが可能です。
では、どうやって冷やすことができるのか?
両手で冷たいもの(冷たいペットボトルなど)を握ることです。
人間の全身には、血液量が多いポイントがあります。
それは動脈のあるところと、毛細血管が集まっているところ!
上から、首・脇の下・手の平・股間(鼠蹊部)・足の裏ですね。
簡単に対応できる手の平がお薦めですよ。
股間は人目があるので、こっそりとね(笑)
忘れてならないのは、登山前から十分な水分を取っておくこと。
まあ、手で温めたペットボトルの中身をすぐに飲むのもありかな。
水分補給
こまめな水分補給が必要です。
喉が渇いてから飲むのではなく、一定時間ごとに
飲みましょうね。
30分~1時間ごとに、200mℓ~250mℓが適切量と
言われています。
ただこれは、体重を無視しているアバウトな数字。
必要水分量の表の1時間の数値の8割ぐらいが適切ではないでしょうか?
不幸にも脱水症をおこしたら
これは緊急事態なので、一刻も早い水分補給と体温を下げる処置が必要です。
本人だけでは対応できないので、周りの人の行動がポイント!
①まずは楽な姿勢、楽な服装にして日陰に寝かせる
②水分を補給させる(即効吸収性の高い経口補水液がベスト)
→この場合は、一気に必要量(飲めるだけ)を摂取させることが重要
③血液を冷やす
→動脈がある首・脇の下(股間はちょっとね?)に冷たいものをあてる
→凍らせた飲料を保冷バッグに準備しておくと便利ですよ
まだ危険は去っていない
熱中症は登山中だけでなく、帰宅後になって発症する
こともあります。
登山中に脱水や電解質不足(ナトリウム・カリウム)の
状態になっていても、気づかず放置していると、
熱中症が遅れて発生します。
まずは、下山後には十分な水分補給と電解質補給に注意
して下さい。
下山後すぐのビールで一杯は危険ですよ!
下山後すぐの温泉(特にサウナ)も危険ですよ!
すぐにビールも、どらも同感ですが、その前に十分な水分補給を。
すぐに温泉も、どらも同感ですが、その前に十分な水分補給を。
お風呂の中で裸で救急搬送なんて、恥ずかしいですよ~
夕飯はどうする?
帰宅後の夕食も重要です。
バランスを考えた食事にしましょう。
えっ、そんなの作っている余裕も気力もないって(泣)
中身さえ意識すれば、外食やお弁当という手抜きもありですよ~
・余分に使った筋肉の補強のためのタンパク質
・効率的に糖質を変換してくれるビタミンB1
・免疫力を高めてくれたり、ストレスへの抗体を作ってくれるビタミンC
・疲れの原因になる乳酸の発生を抑えてくれるクエン酸
こんなところかな?
<参考情報>
ビタミンB1が多い食材
豚肉・豆腐、味噌といった大豆製品、ごま・モロヘイヤ、玄米など
ビタミンCが多い食材
赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、菜の花など
クエン酸が多い食材
梅干し、酢、レモン、ライム、グレープフルーツ、いちごなど
この記事を書いていて、すべての栄養素をカバーするメニューがありますね。
それは酢豚!
今日の夕食は、酢豚にしようかなぁ~と(笑)
(おしまい)