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2025年11月11日

「てっぺんの向こうにあなたがいる」観てきた! にほんブログ村 アウトドアブログ 軽登山・トレッキングへ

みなさんなら田部井淳子さんはご存じですよね。
エレベストに女性として世界で初めて登頂した登山家です。
標題の映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」を観ました。
吉永小百合さんが主演です。
ちなみに観客は、ほぼ女性ばかり。
年齢層も高めでした(苦笑)
観客の雰囲気も、山登りが趣味の人が多かったような…
峠の涼風の女性陣の雰囲気と、似通ったものを感じました。
思い込みかもしれませんが(苦笑)



「人生8合目からが面白い」
モデルとなった田部井淳子さんの名言です。
その言葉を地で行くような田部井さんの半生でした。
病気と闘いながらの8合目でした。
エベレスト女性初登頂自体が、まだ8合目だったのかも知れません。

映画は目頭が熱くなる場面多発、周りでは鼻をすする音も…
不思議なのは、それらのシーンは決して悲しい場面ではなかったこと。
共通しているのは「次の一歩」を感じさせる場面でした。
ちなみに映画のテーマは家族愛と人生への向き合い方かな?
演技面では、
吉永小百合さんは言うまでもなく、出演者の方々の演技力が高い。
その中でも夫役の佐藤浩市さんの演技には惹かれましたね。
静かな、ひたすら静かな受け身型の演技がすごい。
セリフにならない演技力というか…
この味は、役者さんも年齢を重ねないと出ないでしょうね。

どらの場合は、ちょうど8合目ぐらいで「峠の涼風」を立ち上げました。
最近は足腰の衰えを感じていますが「ここからが面白いんだ」と頑張らないとね。
どこまで行けるかわからないけど、計画を立てていこうと(改めて決意!)
とりあえず、原案となった田部井さんの著書「人生、山あり“時々”谷あり」を
買って読んでみようかなと…

あらすじ
ネタバレになるので概略だけ紹介。
最初はエベレスト帰国後の華やかな記者会見の場面。
それと対比するように、病院で余命宣告(3ヶ月)される場面へ。
演出うまいなぁ~と。
回想シーンではエレベスト女性初登頂や谷川岳での夫との出会い。
嫉妬ややっかみで次々と離れて行く登山仲間たちとの軋轢。
「世界の田部井淳子」の息子と見られることへの息子さんの反発。
そして再発する癌。
それでも淡々と登山を続ける主人公。
余命3ヶ月後を一生懸命に生きる、いや、登り続ける4年間でした。
彼女が始めた東日本大震災の「東北の高校生の富士登山」プロジェクトは、
2025年現在も続いています。
息子さんの田部井進也さんが引き継いでいますね。
ストーリー展開は、ゆっくりと静かに進んでいきます。
最近の映画に慣れた人には物足りないかも…
ただ登山をする人には根底で通じるものがあると思います。

ほんわか~とした場面①
 息子さんに「だから周りから人がいなくる」と厳しい言葉を投げかけられる。
 彼は父親にも「親父だって、親指の怪我がなければ自分だって登れたと思ってるはずだ」と。
 父親は「これぽっちも思っていない!」と全否定。
 この場面の伏線回収がありました。
 第5回富士登山プロジェクトで「私はここ(7合目)までかな?」と腰を下ろす妻に、コーヒーを渡しながら、夫が息子に言われた言葉を話しだす。
 「実は、あのとき少しは思っていたと」
 「少しだけ?」と笑顔で返す妻。
 ほんわか~しているなぁ。

ほんわか~とした場面②
 手術明けの翌日にリハビリに励む主人公。
 見舞いに来た息子さんが驚いています(この時は関係修復済)
 医者が「ゆっくりでいいよ、ゆっくりで」
 彼女は言います。「ゆっくり歩くのは得意です」と。
 彼女の名言に「一歩、一歩、前へ」というのもありますしね。
 手術後の夫との登山中の一言でした。
 エベレスト登頂という偉業を成し遂げた彼女ですが、その言葉は平凡です。
 全然かっこよくないんだけど、それがいいんだよなぁ~

ほんわか~とした場面③
 新聞記者の友人とテント泊の場面です。
 余命宣告された田部井さんが、友人に五つ星に行こうと誘うのですが…
 行った先は山の中でのテント泊であきれる友人(笑)
 仰向けに寝て外に顔だけを出す二人。
 ぽつんと「五つ星より満天星」と。
 これも彼女の名言のひとつです。

母親の愛を感じさせる場面
 5回目の富士登山プロジェクト、彼女の最後の登山です。
 引率している高校生の一人が手袋を失くしました。
 リーダーの息子さんが高校生に自分の手袋を渡します。
 その後、7合目で待機することになった彼女が、息子の手を見て「手袋は?」
 そして自分の手袋を渡して、そっと両手で彼の手を包みます。
 その瞬間、どらは涙腺が(こういうのに弱い…)
 彼女の人生の最後のピークは、この時だったのかな…と思う。

そういえば峠の涼風の温故知山でも紹介しています。
他の登山家の名言とともに紹介しましたので参考に。

最後に、どらも11月に72歳となりました。
体もあっちこっちにガタが来はじめているような気がします。
でもこの映画で、少し勇気をもらいました(まだ感動の余韻が残っている)
治療を薦める医者とのやり取りの中でもありました。
「病気になっても病人にはなりたくない」
やっぱりいいなぁ…

(おしまい)