雲の形がどうの?前線の動きがどうの?というのは取っ付きにくく、別の機会に譲ります。
そういえば、以前に落雷の記事を書いたけど、そちらも参考にしてください。
さて今回は覚えやすい天気のことわざについて、紹介しましょう。
知ってるよ~という言葉が多いと思いますが、おさらいの意味も込めてね。
夕焼けは晴れ、朝焼けは雨
夕焼けが見えると翌日晴れ、朝焼けが見えると当日は雨が降るという。
これって、科学的に考えたら当然ですよね。
夕焼け朝焼けは、太陽の光が雲にあたることにより発生します。そして日本では、雲は「西から東へ」流れていきます。
日が沈む時間に西側の空が晴れていれば、それ以降は東側は晴れます。日が昇る時間に東側の空が晴れていれば、周期的に西側から天気が崩れていく。周期的にというのは、低気圧の移動速度が列島では平均3日だからとのこと。道理といえば道理ですね。
煙が東になびくというのは、「天気は西から東へ移動する」という原則を考えましょう。高気圧と低気圧が近くにある場所では、高気圧の方から低気圧の方へ向けて風が吹きます。すなわち煙が東に流れるということは、西側に高気圧があるということ。やがてやってくる西の高気圧のために今後は晴れるということですね。
朝虹は雨 夕虹は晴れ
雨上がりの空に虹がかかる風景を見るとうれしくなりますね。
虹は太陽と逆の方向に雨が降っている場合に空に現れます。太陽の光が空気中の水滴に反射しているんですよね。虹が見えるのが朝なのか夕方なのかで、その後の天気が異なるということ。これも天気が西から東へ移り変わることと関連づけると、科学的な気象条件と一致します。
さて朝の虹は太陽が東にあるので、虹が出たら西側に雨雲があるということ。すなわち雨雲は近々、観測場所にやってくるということになります。
夕方の虹は太陽が西に沈むので、虹が出たら東側に雨雲があるということ。虹を観測した地点から去った後の雨雲なので、翌日は晴れになるのです。
飛行機雲が空に広がる、もしくは長く残っていると雨になるということわざです。また同じ根拠で「飛行機雲がすぐに消えると晴れる」というパターンもありますね。
飛行機の排気ガスに含まれる水分が気温の低い上空で冷やされて、水滴や氷の粒になるものが飛行機雲です。上空の空気が乾燥している状態であれば、飛行機雲もすぐに蒸発して消えます。反対に上空の湿度が高い状態だと、飛行機雲はいつまでも残ってしまうというわけです。雲ができやすい大気の状態は、すなわち天気が崩れやすいということにつながります。
日かさ月かさが出ると雨
カサは主に巻層雲(主に高度7,000mぐらい)という雲があるときに見られます。巻層雲は、天気が悪くなる低気圧・前線などが近づいてくるとできる雲ですね。
ではなぜ輪になるかというと、この高度だと水滴ではなく氷の結晶(特に六角柱)の状態で薄く広がっており、光の屈折により輪になるようです。
よく富士山の頂上付近に傘の形をした雲が出ることがあります。たまにレンズ形やUFO型の雲の場合もありますね。この形になる理由は、実は強風で雲が流されているんだよね。
強風ということは近くに強い低気圧があるということ。
ちなみに富士山でなくても、観測場所から西にある山が傘をかぶれば天気が崩れる予兆となります。
今回は天気に関することわざの、特に「空を見る」観点で紹介しました。
次回は「動物の行動」観点にしてみようかな?
(おしまい)